1月20日は、24節季の『大寒』の入り。
最も寒さが厳しい季節、寒さの害が身体に出やすい時期と言われています。

大寒は、1月20日頃(2021年は1月20日)から立春(2021年は2月3日)までの期間をいいます。
太陽黄経300度、冬の季節の最後の節気です。

 

大寒のひとつ前の小寒(の始め)から立春(の始め)までの30日間を寒の内といい、大寒(の始め)はそのまん中にあたります。

 

大寒には、体育行事としては、寒稽古など、耐寒のための訓練が行われます。持久系のトレーニングが行われる事が多い様です。
また、厳しい寒さを利用する知恵として、”寒仕込み”が行われます。
寒気を利用した食べ物(凍り豆腐=高野豆腐、寒天、酒、味噌など)を仕込むのに最もよい時期とされています。

 

”寒の水”というものもあります。これは、寒の内の間に汲んだ水のことを言います。
この時期の水は、雑菌が少なく体にも良いとされてきました。
長期保存にも向いていると考えられ、”寒の水”を用いて作られた味噌、醤油、酒は腐りにくいといわれていました。
その中でも、寒の入りから9日目に汲んだ水は”寒九の水”と呼ばれ、特に効果があると言われています。
薬になるほど良質とされる寒九の水は、酒造りにも利用され、最高の酒ができるといわれています。

 

また、家庭で手作り味噌=手前味噌を作る方は、この時期に仕込むのが最適とされています。

 

大寒が終わると次の季節は立春です。2021年は2月3日になります。
立春の時期は、まだまだ寒さは厳しいものの、徐々に寒さが和らいでいく方向に向かいます。

 

立春の前日を”節分”と言います。豆まきで有名ですね。
立春の前18日間を、季節と季節の境目=土用と呼びます。
2021年は1月17日から2月2日までが土用に当たります。

 

土用は季節の変わり目とされ、運気が不安定になるため、引っ越しや事業の立ち上げ、新築、改築などは避けると良いと言われています。
中でも、土をいじる事は不吉であり、避けるべきと言われています。

 

また、身体的にも安定性を欠くため、健康状態の悪化に注意が必要です。
健康状態の悪化の中でも要注意なのは感染症です。
特に抗生物質が無かった昔は、細菌感染による感染症は、高率に命に係わる疾患でした。
そのため、土用の時期は、無用な土いじりによる感染症の発症リスクの低下を計る事が重要との見解からきた風習でもあるのかもしれません。

上記の他にも、一般的な養生として、冬の土用を健康で快適に過ごすのにはどうしたら良いでしょう。

 

冬の土用は、夏の土用(有名ですね)の逆の事を行うのが良いとされています。

 

冬の属性は”腎”、”水”、”黒”、”寒”、”丑(うし)”
それを克服する、逆の属性を持つのは夏。属性は”心”、”火”、”赤”、”熱”、”未(ひつじ)”

 

そのため、夏の土用は、夏とは逆の属性の干支=丑の日に、黒くて”う”のつく鰻を食べる事で養生しようとする訳です。

 

この理論で行くと、冬の土用は、冬の干支とは逆の未=羊肉もしくは”ひ”のつく食べ物、赤い食べ物、温かい食べ物を食べるのが養生となると思います。
羊のケバブにトマトシチューやボルシチなんかは最適かもしれません。
ひじき、ひよこ豆、ひらたけなんかも良さそうですね。

 

”ひ”がついても、冷や麦や冷やし汁は冷やす属性を持つので避けた方が無難です。

 

最近、コンビニチェーンなどが、”冬の土用”にと称して、鰻を販売したがっている様です。
しかし、上記の理論からいくと、冬の土用に鰻は養生的には無意味です。
まあ、この時期に鰻を食べる事自体は問題ないと思いますが、わざわざ冬の土用に関連させる事は無いと思います。
もし、それでも鰻を土用と関連させたければ、”ひ”がつく”ひつまぶし”とすれば良いのにと思います。

羊にちなんだコスチュームで、冬の土用に備える我が家の愛犬、椛さんです。

可愛いです。

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